「アリシン」の持つ、殺菌作用と抗酸化作用
「アリシン」の代表的効能には、以下のものがあります。
・強い殺菌・抗菌作用
「アリシン」は、非常に強い殺菌力を有しています。
にんにくを数万倍に薄めた液ですら、チフス菌・大腸菌などほぼすべての細菌に対して、強い抗菌作用を示すそうです。
抗生物質ができるまでの長い間、にんにくは医療用の殺菌剤や戦時中の外用薬などに使われていました。
食べて体内に取り込んだ場合は、消化吸収過程でアリシンが分解されてしまうので、体内の有用菌が殺菌されてしまう恐れはありませんが、それでも空腹時に多量に食べた場合には胃が炎症を起こす恐れがあるので、摂る量には注意しましょう。
健康のために食す場合は、2~3日に一度、1~2片をとるくらいでも充分な効果があります。
・生活習慣病・成人病の予防効果が期待できる「抗酸化作用」
「アリシン」が加熱によって変化し、生成される成分に「アホエン」があります。
この「アホエン」は、70~90℃前後の低温のオイルににんにくを入れて、じっくり加熱することで作られます。
(強火で炒めたり高い温度で加熱しては、アホエンがどこかに飛んでしまいますので、その調理法には注意が必要になります。)
アホエンには、血栓(血管内の血小板のかたまり)の発生を予防(抗血栓作用)し、動脈硬化を防ぐ効能があります。
これはにんにくに含まれる油の中の成分「メチルアリルトリスルフィド」による、血小板の凝集抑制作用によるものとされます。
脳梗塞や心筋梗塞の深刻な血管性疾患は、大きな血栓の発生が引き金となり起こります。
言いかえると、「血栓の発生を防ぐことで予防できる」病気でもあります。
にんにくは食べた直後の比較的はやい時間に、血栓につながる血小板の凝集を抑える作用が現れ、しかもそれが長時間続くことが、実験によって確かめられています。
別の言い方をすると、血液の凝固にかかわる病気や障害を有している人、血液凝固に関連する作用を持つ薬を服用している人などは、にんにくは摂取禁止ということになります。
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