にんにく その効能・効果をざっくり学ぶ

アホエンや各種のイオウ化合物は、不安定な成分「アリシン」が安定化しようと変化してできる成分です。

これらは「スルフィド類」と総称される強い成分で、にんにくに多く含まれています。

にんにくの様々な作用や効能は、このスルフィド類によるものが非常に多く存在しますが、ここでは一般的に知られていないにんにくの隠れた効果も含めご説明します。

・疲労回復・滋養強壮作用

含有成分「アリシン」はビタミンB1と結合すると、ビタミンB1の吸収率を10倍位上に高めてくれる成分「アリアチミン」に、姿を変えます。


ビタミンB1は、糖質のエネルギー代謝を効率よく行うために不可欠ですが、一度に吸収できる量は限られ、また体内での蓄積時間も長くありません。

この点、アリアチミンは水溶性のため、より長い時間血液中にとどまっていることができることもメリットです。


ビタミンB1の吸収が有効に行われると、身体の代謝が活発になって活動エネルギーが作り出されるので、疲労回復や滋養強壮作用をもたらします。

別の含有成分「スコルジニン」にも、新陳代謝の活性化作用、強壮作用があります。


・免疫力を高める効果

にんにくのスルフィド類には、体内のリンパ球の働きを高める効果があることが判明しています。


風邪を引いたときに、焼いたにんにくを食べたことのある方も多いでしょう。

しかし研究によれば、にんにくは体内のウィルスを直接除去するものではなく、身体がウィルス・細菌などの異物に対して抗体を作る、いわば「免疫機能のはたらきを活性化する」役目を果たしているそうです。


・余分な体脂肪の燃焼効果

強壮作用がある成分「スコルジニン」には、アドレナリン分泌の活発化を促し、体内の余分な中性脂肪（トリグリセイド）の燃焼を促す効能があるとされます。

にんにくはダイエット食品としても日常の食事メニューに積極的に取り入れたい一品ですが、単独での摂取は胃に負担をかけやすいことには注意が必要です。

また新陳代謝の活性化作用もあることから、体の冷えの改善・解消効果もあるとされます。


・水虫の予防・殺菌効果

アリシンの殺菌・抗菌作用が、水虫菌に対して効果を有します。


適当な消毒薬がない場合、にんにくを数片すりおろして水に薄めると、消毒液の代用となります。


水桶に入れて足を10分間程度ひたすと、水虫の予防・治療にもなります。

終了後はいずれも、真水できれいに洗い流しておくほうがよいでしょう。

ちなみにアリシンは、水の中では有効成分が比較的安定するとされています。