にんにくの効能を失わずに臭いを抑える
にんにくの臭いは実にやっかいなもので、「この臭いさえなければ、もっと食べられるのに…」という方も多いことでしょう。
食べた後のにおいを消す方法や食材は、かねてから様々に研究されてきたものの、その効果を十分に享受したままに臭いを完全に取り去ることができる決定的な方法は、残念ながらまだ見つかっていません。
このにおいには、 「アリシン」の持つ、殺菌作用と抗酸化作用 でご説明した「アリシン」が関係しています。
「アリイン」が空気中の酵素「アリナーゼ」に触れて「アリシン」に変わる過程で、あの臭いが発生します。
困ったことにこの「アリシン」の中に、にんにくたらしめる主な薬効成分が潜んでいます。
「無臭にんにく」や「にんにくサプリメント」も同様で、それぞれ栄養価が豊富で健康には良くとも、残念ながらその中の成分としての「アリシン」は失われているのです。
ちなみに「無臭にんにく」は加工液に後から漬けるなどして人為的に手を加えたものですが、完全に無臭とまではいかないようです。
にんにくの臭いを極力残したくなければ割と話は簡単で、「加熱したり焼いたりして、他の料理と一緒に食べる」ことです。
「アリナーゼ」という酵素は熱に弱く、すぐにこわれてしまうからです。
アリインとアリナーゼが反応してできた「アリシン」も、タンパク質・脂質と非常に結合しやすいため、あわせて肉や魚の生臭さも消してくれる効果があります。
ステーキや魚を焼くときに、にんにくがよく使われるのはこのような理由によるものです。
ただしこのように加熱調理で臭いを封じ込めたとしても、不安定な「アリシン」も飛んでしまって、薬効成分の大部分が失われてしまいます。
薬効成分を維持しつつ臭いを最小限に押さえる調理方法としては、にんにくを切った後にオリーブオイルなど油にすぐに入れ、100度を超えない程度でこがさないようにゆっくりと熱します。
いわゆる「ペペロンチーノ」、イタリアン・パスタの下地となるソース作りを、思い浮かべてもらうとよいでしょう。
こうすることでアリシンが油に溶け出し、薬効成分の大部分を保ったまま「アホエン」という物質がつくられます。
ただし「高温で」油を熱してしまうと、せっかく生成されたアホエンが飛んでしまうため注意が必要です。
にんにくの効能の最大の素晴らしさは「アリシン」の摂取にあるとも言えますので、健康維持のためにもここは調理法を工夫して、その摂取に是非とも努めていただきたいものです。
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